皆さんは、ドイツの人の暮らしについてご存知でしょうか?実は最近、私自身がミニマリズムを生活に取り入れ始めた中で、少し行き詰まりを感じていた時に、ドイツの生活スタイルがとても参考になることを知りました。
「ミニマリズムと節約」は一見、直接結びつかないテーマのように思えるかもしれません。しかし、無駄なものを買わない、無駄なことをしない、そして厳選されたものだけを持つという考え方は、結果的に節約にも繋がるのだと実感しています。
私も40代後半に入り、漠然とした将来への不安は感じつつも、「なるようになるさ」という気持ちも正直あります。それでも、少しでも備えをしておくことが大切だと考え、ライフスタイルを少しずつ見直しているところです。そんな中で、ドイツの人がいかに生活の中で節約を上手に行い、質素な暮らしを大切にしながら日々を幸せに過ごしているかという情報に触れ、今回はそのことについてお話ししたいと思います。
ドイツの暮らしから見えてくる「無駄を省く」ヒント
ドイツの家は、まるでショールームのように片付いていて、生活感が少ないと聞きます。日本の家とは異なり、地下室や大きな倉庫が住宅の一部として存在し、そこに生活用品を効率的に収納しているため、人に見られる場所は非常にすっきりしているのだそうです。
日本の家ではなかなか真似できない部分もありますが、私が感じたドイツのライフスタイルから得られるヒントをいくつかご紹介します。
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質素な食事と料理頻度:ドイツには「カルテス・エッセン」(冷たい食事)という伝統的な夕食のスタイルがあります。これは、火を使わずにパンやハム、チーズ、サラダなどで簡単に済ませる食事のことで、温かい料理は主に昼に食べることが多いそうです。この習慣は、調理にかかる時間や手間を省き、食後に家族でゆったり過ごす時間を生み出しています。日本の「可能な限り温かいものを食べる」という食文化とは異なりますが、毎日完璧に料理することにこだわらず、日々の献立を見直すきっかけになるかもしれません。
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計画的な買い物:ドイツでは、小売店の営業時間が法律(閉店法)で厳しく制限されており、基本的に日曜や祝日はお店が閉まっています。平日の営業も夜8時までが一般的です。このため、週末にまとめて買い物をするという習慣がなく、平日に必要なものを計画的に購入します。24時間営業のお店が当たり前にある日本とは大きく異なる点ですが、これは「本当に必要なものだけを厳選する」というミニマリズムの考え方に通じるものがあると感じました。無駄な衝動買いを防ぐためにも、平日に必要なものをリストアップし、計画的に買い物をする習慣は取り入れたい点です。
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DIYの精神:ドイツでは「DIY(Do It Yourself)」が非常に根付いており、「サービス砂漠」と揶揄されることもあるほど、自分でできることは何でも自分でやるという精神が強いです。家具の塗装や車の修理、さらには自宅の庭に家を建てる人もいるほどです。自分で何かを作るという行為は、ものを大切にする気持ちを育み、無駄な消費を抑えることにも繋がるのではないでしょうか。自分で直したり作ったりすることで、物への愛着も深まります。
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リサイクルと中古品の活用:ドイツは世界トップクラスのリサイクル率を誇り、リユースの文化が非常に進んでいます。洋服や使わなくなった家具、自転車、家電なども積極的にセカンドハンドとしてリサイクルされます。不要になったものもすぐに捨てずに、フリマアプリやリサイクルショップを利用したり、中には引っ越しで出た不要品を路上に置いておき、必要な人が自由に持ち帰る「放置リサイクル」のような習慣もあるそうです。無為な消費は浪費であり悪徳であるという思想が多くのドイツ人に深く根付いており、中古品を賢く利用することで、出費を抑えながらも必要なものを手に入れることができます。
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レジャーの質と無駄の排除:ドイツの人々は、普段のレジャーにはあまりお金をかけず、公園でのんびり過ごすなど、質素に楽しむことが多いそうです。その分、貯まったお金は長期休暇での旅行や思い出に残るレジャーに使う傾向があるとのこと。可能な限り無駄を省き、本当に価値のある体験にお金を使うという考え方は、ミニマリズムの基本そのものだと感じました。質素な日々を過ごしつつも、大切なことには惜しみなく投資する、そんなメリハリのある生活は、私たち日本人にとっても見習うべき点が多いのではないでしょうか。
「見栄を張らない」生き方を選ぶ
ドイツの生活スタイルから強く感じるのは、「見栄を張らない」という姿勢です。高価なブランド品で身を固めるのではなく、質実剛健でシンプル、そして使いやすいものを身につけて日々を過ごすことを大切にしているように見えます。ドイツでは「家や家具はその人の“ポートレート(肖像)”」と考え、必要以上に自分を飾るのは恥ずかしい、だから見栄を張らないという価値観が根付いています。物や流行に依存せず、それぞれがこだわりを持つからこそ、その人らしい魅力あるインテリアになるという考え方です。
40代を迎え、これからの人生を考えた時に、私も「見栄のための消費」はもう卒業したいと考えています。他人にどう見られるかではなく、自分が本当に幸せだと感じるもの、持っているだけで気分が上がるものに囲まれて暮らしたい。そういう視点で自分の周りのものを見直すことが、これからの人生を豊かにする上で非常に大切な要素だと感じています。
もちろん、ドイツの方々が皆、このような生活をしているわけではないでしょう。中には、たくさんの物に囲まれていたり、節約とは無縁の生活を送っている方もいるはずです。しかし、ドイツの基本的なライフスタイルの方針として、こうした「無駄をなくし、質素に暮らす」という考え方があることを知った以上、私も自分の生活に少しずつ取り入れていきたいと思っています。
若い頃は、多少の無駄なものや無駄な経験に囲まれることで、その後の人生が豊かになることもあります。何が無駄かを知らないと、本当に大切なものも見えてこないでしょう。しかし、私の年齢になれば、今回のドイツのライフスタイルから得られるヒントは、非常に重要な意味を持ってきます。
焦らず、時間をかけて、自分にとって心地よいミニマルなライフスタイルを築いていきたいと思います。