
私たちがインターネットで商品を購入する際、多くのブランドが顧客の購買意欲を高めるためにさまざまな戦術を使っていることをご存知でしょうか。
これらの手法は巧妙に隠されており、気が付かないうちに私たちが影響を受けていることが数多くあります。
今回は、デジタルマーケティングの世界で一般的に使われている、消費者を欺く可能性のある代表的な5つの戦術について解説します。
これらの知識を持つことで、より賢く、より意識的に買い物をすることができるようになります。
「常にセール中」という誤解
多くのオンラインストアでは、絶え間なくセールが実施されています。
「期間限定セール」や「今だけの特別価格」といった表示を目にすることが多いですが、実はそのセール価格こそが、その商品の本来の価格である場合が少なくありません。
顧客は「お得に購入できた」と感じることで満足感を得ますが、これはあくまでも心理的な効果を狙ったものです。
楽天はもちろんのこと、アマゾンでもこうした価格設定は数多く見られます。
常にセールが行われているように見せることで、購入を急がせ、顧客を囲い込む狙いがあります。
ブラウザの拡張機能で、こうした価格の変動を調べられるものがあるので、欲しいものがセールになっている時は、一度調べてみると良いでしょう。
「残りわずか」という偽りの切迫感
オンラインショッピングでは、「在庫が残りわずかです」や「他2人がこの商品をカートに入れています」といった表示がよく見られます。
これは、顧客に「今買わなければ手に入らない」という切迫感を与え、衝動買いを促すための手法です。
しかし、これらの情報は必ずしも正確とは限りません。多くのブランドは、特別なプラグインやアプリを使用して、在庫数を実際よりも少なく見せることで、人工的な希少性を生み出しています。
特に日本人は「残りわずか」や「期間限定」という言葉に弱いらしいので、是非とも気をつけたいところですね。
3. フェイクのソーシャルプルーフに惑わされない
ウェブサイトの画面の端に、「〇〇県の〇〇さんがたった今、この商品を購入しました」といったポップアップが表示されることがあります。
これは「ソーシャルプルーフ(社会的証明)」と呼ばれるもので、多くの人がその商品を購入しているという錯覚を与えることで、信頼性や人気を演出するものです。
しかし、これらは自動生成されたものであり、実際の購入者情報ではないことがほとんどです。
ブランドは、これらの情報を自由にカスタマイズして表示することができます。
私はこういった表示を、DTMのプラグインやサンプルパックを販売しているサイトなどでよく見かけます。
この演出をしている所はあまり信用できないので、基本的には買わないようにしています。
操作されたレビューの罠
商品レビューは、購入の意思決定において非常に重要な要素です。
しかし、ブランドの公式サイトに掲載されているレビューは、必ずしも客観的なものとは限りません。
一部のブランドは、レビュー管理ソフトウェアを利用して、否定的なレビューを削除したり、肯定的なレビューを優先的に表示させたりしています。
また、レビューを投稿した顧客に割引や特典を提供することで、意図的に高評価を集めているケースもあります。
より公平な意見を知るためには、公式サイト以外のレビューサイトや、レビューを古い順に並べ替えて確認するなどの工夫が必要です。
アマゾンで中華系のガジェットなどを買った際に、「★5のレビューを書いてください。1,000円オフのクーポンを送ります」とか良くありますもんね。
個人のレビューブログなんかも参考にしてみてはいかがでしょうか。ウチもそうですよ(宣伝)
同意なきメール送信の実態
見知らぬブランドから突然、宣伝メールが届いて困惑した経験はありませんか?これは、メールアドレスの同意を得ずに、技術的な仕組みを利用してメールを送信している場合があります。
特定の企業ネットワークを通じて、私たちが訪れたウェブサイトの情報を収集し、メールアドレスを共有しているケースがあるのです。
単純に、インターネット上に公開されているメールアドレスを収集する業者がいたりもします。例えば、このブログも少し前までは「お問い合わせ」のページにメールアドレスを載せていましたが、最近はメールフォームのみにしています。
これは不快なスパム行為であり、もしこのようなメールが届いた場合は、情報共有の設定を確認し、オプトアウト(配信停止)の手続きを行うことをお勧めします。
まとめ:賢い選択のために
これらのマーケティング手法を知ることは、私たちがより賢い消費者になるための第一歩です。
すべてのブランドが悪質な手法を使っているわけではありませんが、警戒心を持つことは重要です。
次にオンラインで買い物をする際には、価格や在庫表示、レビューが本当に信頼できるものなのか、少し立ち止まって考えてみてください。
そして、こうした戦術を使わない倫理的なブランドを応援することで、より健全な市場を育てることに貢献できると思います。
