
私は40代も後半に差し掛かり、50歳という数字が現実味を帯びてきました。若かった頃、私は筋金入りのオタクでした。アニメ、漫画、ゲーム、どれも本当に大好きで、それらが私の生活の中心でした。
今でもアニメを見ることはあります。ただ、若い頃のような突き抜けた情熱は、正直なところ薄れてきたように感じます。それは決して「飽きた」という単純な理由ではなく、生活スタイルが変わってきたことが大きく関係しています。
親元で気軽に暮らしていた若い頃は、自分の時間やリソースをすべてオタク活動に注ぎ込むことができました。しかし、独り身ではなくなった今、自分たちで日常のすべてを築き上げていかなければなりません。
食事の準備、掃除、洗濯といった家事全般を自分たちでこなしていく必要があります。そうなると、当然ながら時間をどう使うかという意識も変わってきます。
ライフステージの変化がもたらす新しい「楽しい」
生活のスタイルが変わると、興味の対象も自然と移り変わっていきます。
このブログを読んでいただければわかるように、以前の私が運営していたブログを知る人からは想像もつかないほど、アニメや漫画、ゲームに関する話題はほとんど出てきません。
それは「もうやらない」と決めたわけではなく、単純にブログのコンセプトに合わないからという理由もありますが、それ以上に、生活の中で占める割合がかなり少なくなったからです。
昔は生活の7割、8割を占めていたオタク活動が、今では1割程度まで下がったと思います。なぜなら、アニメや漫画、ゲーム以外にも、たくさんの「楽しい」が見つかったからです。
例えば、料理です。若い頃は全く興味がなかったのに、今は「どうせ作るなら美味しいものを」と考えるようになりました。また、住環境をより快適にしたいという思いから、デスク周りの環境構築や観葉植物を育てるのが楽しくなったりもしました。更に現在はミニマリズムを少し取り入れています。歳を重ねると、なぜか今まで興味がなかったものに面白さを感じるようになるのです。
もちろん、今でも新しいアニメや漫画はチェックしています。Amazonプライムなどで話題の作品を見たり、連載中の漫画を読んだり。特に漫画は、古い作品を読み返したり、話題の新作を読んだりするのも楽しい時間です。ただ、ゲームに関してはなかなか時間が取れません。ブログを書く時間も作っているため、家庭用ゲーム機は手放してしまいました。今はスマートフォンで「ウマ娘」を少し楽しむ程度です。
オタク趣味との向き合い方の変化
歳を重ねると、作品に対する見方も変わってきます。若い頃に好きだった日常系アニメも、今では以前と同じ熱量で楽しむのが難しくなってきました。それは決して作品の質が落ちたわけではなく、私の興味の対象が変わったからです。
もちろん、中には今でも夢中になれる作品はあります。そうした作品には、きっと今の自分に響く何かがあるのでしょう。
漫画も同じです。最近は「異世界モノ」や「悪役令嬢」、「長文系タイトル」、「チート系」といった、ある種のテンプレートに沿った作品が増えたように感じます。もちろんそれらが悪いわけではないのですが、「またこのパターンか」と感じてしまうと、読む手が止まってしまうことがあります。
じっくりと時間をかけて読むのであれば、普通の物語やノンフィクション、ビジネス書など、自分が成長できるような本を読みたいという思いが強くなりました。若い頃は自己啓発本ばかり読んでいましたが、最近は物語を読むことが増えました。
まとめ
何歳になっても変わらず、情熱を持ってオタク活動を続けている人がいるのは素晴らしいことです。私も身近に、長年アイドルマスターを追いかけている知人がいます。
しかし、多くの人にとって、歳を重ねるにつれて若い頃と同じモチベーションで趣味を続けるのは難しくなるでしょう。それは「楽しくなくなった」のではなく、他の「楽しい」ことが増えたり、生活の優先順位が変わったりするからです。
オタク趣味は、もちろん人生を豊かにしてくれる素晴らしいものです。でも、それだけに縛られる必要はありません。歳を重ねるごとに、新しい世界に目を向けてみると、きっとまた違った喜びや発見があります。
