「自分のメディアを持ちたい」そう考えたとき、多くの人がぶつかるのが、WordPressとNote、どちらを選ぶべきかという悩みではないでしょうか。
どちらも情報を発信するための優れたツールですが、その特徴や得意なことは大きく異なります。私も実際に両方を使っているので、それぞれの違いを比較しながら最適な「書く場」を見つけるお手伝いができればと思います。
どちらを選ぶかは「何のために書きたいか」によって大きく変わってきます。それぞれのメリットとデメリットをじっくり見ていきましょう。
導入のしやすさで選ぶなら？
Noteの一番の魅力は、その手軽さにあります。アカウント登録をするだけで、すぐに記事を書き始めることができます。SNSを使うような感覚で、誰でも簡単に始められるのがいいですね。
一方、WordPressは導入までのハードルが少し高いと感じるかもしれません。まず、サイトを置くためのサーバーを借りる必要があります。基本的には有料のサービスで、記事を公開するために欠かせないものです。また、Google AdSenseなどの広告を設置するために、自分だけのドメインを取得する必要もあります。これも年間で費用がかかります。
デザイン性に関しても違いがあります。Noteは統一されたシンプルなデザインが基本で、大きく変更することはできません。他の方のNoteページと差別化しにくいという面はありますが、あれこれ悩む必要がないのはメリットです。
対してWordPressは、デザインのカスタマイズ性が非常に高いのが特徴です。テーマと呼ばれるテンプレートを導入したり、プラグインを追加したりすることで、細部にまでこだわった自分好みのサイトを作ることができます。私は、あえてシンプルで読みやすいデザインにしていますが、個性的な表現をしたい人にはうってつけです。
運営コストと収益化
運営コストも、どちらを選ぶか考える上で重要なポイントです。
Noteは、基本的に無料で利用できます。ただ、便利な機能が使える有料プランもあり、そちらは月額500円、年間6,000円かかります。無料で始められるのは、お試しで発信してみたい人にとってありがたいですね。
WordPressの場合、先ほどお話ししたように、サーバー代とドメイン代がかかります。私が使っているサーバーは比較的安価で、年間8,000円ほどです。これに独自ドメインの取得費用として年間2,000円くらいかかるので、合計で年間1万円ちょっとといったところでしょうか。ブログを長く続けるほど、この費用はかかってきます。
あと、サーバー代は年々価格が上がってきているので、そのへんも要注意です。
収益化の方法にも大きな違いがあります。
Noteは、記事自体を販売したり、月額制の購読サービスを提供したりして、収益を得ることができます。質の高いコンテンツにお金を払ってでも読みたい、という読者のニーズに応えられる仕組みです。記事ごとに課金設定ができるので、手軽にマネタイズを試すことができます。
WordPressの主な収益源は、Google AdSenseのような広告を掲載することです。ブログにアクセスした人が広告をクリックすることで収益が発生します。Noteでは原則として外部広告を貼ることができないので、これはWordPressの大きな強みと言えるでしょう。
資産としての価値とリスク
「自分の書いたものが、将来にわたって価値ある資産になるか」という観点も非常に重要です。
Noteは、プラットフォームに依存するというリスクがあります。Note運営の方針変更や、万が一サービスが終了してしまった場合、今まで書いた記事がすべて消えてしまう可能性があります。エクスポート機能はあるものの、すべてを完璧に移行できるわけではなく、移行先での再構築には手間がかかることもあります。利用規約の変更によって、アカウント停止といった事態も起こりうることは頭に入れておきましょう。
WordPressは、導入は少し大変ですが、そのぶん自由度が高く、リスクが少ないのがメリットです。WordPressというシステム自体は、自分で管理するものですから、急にサービスが終了して記事がなくなるといった心配はありません。サーバーやドメインを自分で管理していれば、何かトラブルがあっても、基本的には自分の責任で解決できます。ウェブでの「自分の拠点」をしっかり作りたいなら、WordPressは最適な選択肢と言えるでしょう。
長年ブログを続けていると、書いた記事が検索エンジンで上位表示されるようになり、不労所得を生み出す資産に成長することがあります。こういったことを目指すなら、WordPressが向いているでしょう。
検索流入とコミュニティ性
アクセスを集める方法にも、それぞれの特徴があります。
Noteは、プラットフォーム自体のドメインが強力なので、比較的早い段階で検索エンジンに認識されやすい傾向があります。また、Noteには「スキ」ボタン（いいね機能）やコメント機能があり、書き手と読み手のコミュニケーションが活発に行われます。フォロワーが増えたり、「おすすめ」として他のユーザーに表示されたりすることで、プラットフォーム内でのアクセスが増えやすいのも魅力です。
WordPressでブログを始めたばかりの頃は、なかなかアクセスが集まらず、読者がいない状態が続くかもしれません。SEO（検索エンジン最適化）を意識して記事を書き続け、ドメインパワーを育てていく必要があります。地道な努力が求められますが、一度検索で上位表示されるようになれば、安定したアクセスが見込めます。
あなたはどちらを選ぶべきか？
ここまでWordPressとNoteの違いを解説してきましたが、では結局、どちらがあなたに向いているのでしょうか？
Noteが向いている人
- 気軽に発信を始めたい人
- 初期費用をかけずに始めたい人
- SNSのように読者と交流したい人
- 記事そのものを商品として販売したい人
- 広告を貼りたくない人
WordPressが向いている人
- 自分の世界観をデザインで表現したい人
- 広告収入を得たい人
- 書いた記事を将来の資産にしたい人
- サービス終了などのリスクを避けたい人
- ウェブに関するスキルを身につけたい人
結論：両方使うのが一番賢い
「どちらか一つを選ばなければいけない」と思う必要はありません。
実は、私は両方を使い分けています。
Noteは、ブログでは扱わないような日常の出来事や、他の人への注意喚起など、ちょっとしたメッセージを気軽に発信する場として活用しています。自分のブログよりも多くの人に届きやすいというNoteの特性を活かし、情報共有を目的として使っているわけです。
一方、WordPressのブログは、じっくりと時間をかけて書く、資産となる記事を投稿する場としています。読者にとって役立つ情報を提供し、検索から長く読まれ続けるようなコンテンツを育てています。
どちらか一方を選ぶのではなく、それぞれの良さを理解して使い分けることで、あなたの「書く」という活動はより豊かになるはずです。
