
先日、大阪の阿倍野から住吉大社方面を巡る御朱印集めの旅をしていました。
安倍晴明神社、阿倍野王子神社、安倍晴明、住吉大社と回り、最後に今宮戎神社から天王寺まで歩いて帰ることにしたのです。このルートを選ぶと、当然ながら大阪のシンボルの一つである通天閣がそびえる「新世界」エリアを通ることになります。
天王寺からJR環状線に乗っていれば遠目にはいつも見えている通天閣ですが、新世界の中に足を踏み入れるのは、本当に久しぶりでした。それこそ、20年以上ぶりかもしれません。普段は天王寺の「てんしば」や大阪市立美術館あたりまでしか歩くことがなかった私にとって、新世界は遠い存在になっていたのです。
久しぶりに訪れた新世界は、私の予想通り、いや予想以上に、外国人観光客ので溢れかえっていました。昔と変わらないディープでどこか柄の悪い雰囲気はそのままに、国際色豊かな賑わいを見せています。さすが大阪を代表するディープスポットだと改めて感じました。
串カツだけじゃない!新世界で見つけた驚きの専門店

新世界といえば、やはり名物の串カツ屋さんが軒を連ね、活気あふれる通りが有名です。美味しそうな香りが漂う中で、偶然目に飛び込んできたお店に思わず立ち止まってしまいました。
そのお店こそが通天閣のすぐ近くにある「うまい棒ショップ」だったのです。駄菓子屋通天閣とも書かれており、メインは国民的駄菓子である「うまい棒」の専門店。店内には、小規模ながらプリングルスのオフィシャルショップなんかも併設されていました。
外から見ても、お店の中のお客さんの8〜9割は外国人観光客の方々で、その人気ぶりに驚かされました。正直、多少の混雑にゲンナリしつつも、「せっかく来たのだから」と、好奇心に導かれるままに店内へ足を踏み入れました。
公式キャラクターに「妹」がいた!うまい棒の奥深い世界

写真は取り忘れてしまったのですが、店内に並ぶうまい棒の種類と量は圧巻です。定番の味から変わり種まで、ありとあらゆるうまい棒がずらりと並び、30本入りのセットなども豊富に用意されています。
しかし、私が一番驚き、そして興味をそそられたのは、レジ近くに飾られていたキャラクター紹介のポップでした。
うまい棒のパッケージでおなじみのキャラクターは誰もが見知っているとは思いますが、実はその名前が「うまえもん」というのをご存知でしたか?私は今回初めて知りました。

さらに驚くべきことに、その「うまえもん」には公式の妹キャラクターがいたのです。その名も「うまみちゃん」。どうやら2017年頃から公式キャラクターになったらしく、今時の「萌え系」を意識したような擬人化デザインになっています。

店内には、この「うまえもん」と「うまみちゃん」のグッズがTシャツ、バッグ、缶バッジ、ステッカーなど、多岐にわたって展開されていました。
店内で流れているBGMも、どうやら「うまみちゃん」が歌っているらしいものが流れていて、アレンジの凝ったポップな楽曲でした。
ちなみに、うまみちゃんは公式ウェブサイトを持っているようで、そこではウェブコミックやグッズなどの情報がコンスタントに更新されています。
ただ、httpsではないので「保護されていない通信」となっているのは少し気になります。

そして、この「うまい棒ショップ」が、なんと世界でここ新世界にしかない唯一の店舗であるとのことで、思ってたよりもレアなお店なんだなと。
日本の駄菓子が、これほどまでに熱烈に世界中の人々を魅了している事実に、私は感動を覚えました。ディープな新世界で、さらにディープな「うまい棒」の世界に触れることができる、まさに隠れた名所と言えるでしょう。
うまい棒だけ買いました

結局、グッズは買わなかったものの、私はいくつか駄菓子を購入しました。昔ながらの定番駄菓子もありましたが、やはりメインはうまい棒です。
私と同じ40代後半の世代にとって、うまい棒は青春の味。当時は一本10円で買えた駄菓子も、今は一本16円に値上がりしていますが、この時代において6円の値上げで済んでいるのは、企業努力の賜物だと感じます。
さて、私の個人的なうまい棒ナンバーワンは、昔から変わらず「たこ焼き味」です。関西人だからというわけではありませんが、あのカリッとした食感とソース味が絶妙なのです。
今回は、それに加えて、お店で人気だという味も買ってみました。
左から牛タン塩味、たこ焼き味、エビマヨ味、焼き鳥味で、牛タン塩味はショップで一番人気とのことです。
牛タン塩味は、リアルな牛タンの風味が再現されており、確かに美味しいのですが、私個人の好みでは「たこ焼き味」を超える感じではありませんでした。
焼き鳥味はほんのりとした甘みと香ばしさが絶妙なバランスで、とても美味しかったです。もしどこかのスーパーやコンビニで見かけたら、ぜひ一度、試してみていただきたいと心からおすすめします。
変貌を遂げる新世界:ディープな大阪の今

うまい棒ショップを出る頃には、すっかり夕暮れ時になっていました。薄暗くなった新世界の通りを歩きながら思ったのは、こんな場所も外国人観光客だらけなんだなという事と、私が若い頃と比べて活気に溢れているという事です。
平日とは思えないくらいに通天閣目当てのお客さんが列をなしているし、近辺の飲食店などもそれなりに忙しそうで、そういう意味ではなかなか悪くない変化なんじゃないでしょうか。

そこから少し歩くと、大阪市立美術館や天王寺公園「てんしば」など、私が普段から利用している比較的整備されたエリアに出ます。ディープな新世界と、モダンで整備された天王寺・阿倍野エリアが隣接しているのが、大阪の街の面白いところです。
かつては「ガラが悪い」というイメージが先行していた新世界も、今や観光地として多くの人々を魅了し、少しずつではありますが、街の様子もきれいになってきているように感じます。もちろん、昔ながらのディープな側面も残っており、それがこの街の魅力でもあります。
静かに穏やかに過ごしたい時は「てんしば」へ。活気あふれるディープな大阪の雰囲気を味わいたい時や、B級グルメ、そして世界で唯一のうまい棒ショップを楽しみたい時は、ぜひ新世界へ足を運んでみてください。キタやミナミとは一味違う、独特の魅力と発見があるはずですよ。
